まぁずっと天保のことを考えているといっても過言ではありませんで😜。
(途中『鬼滅の刃』の童磨のことを調べましたが、まぁこちらはまた後でゆっくりと)
本題に入る前に、なんでこんなに三世次が気になるのか。もちろん2020版Blu-ray Discは持っていて、幾度となく観ているのに。多分私は王次にロックオンしてたのであまり深くは三世次のことを考えてなかったようで。しかも一生三世次、やっぱり得体が知れなくて気持ち悪かった(これは悪口ではなく役者として大正解だということです)から、なかなか直視出来てなかった。ということで、今回は三世次を深掘って...といってもネットで調べる限りのことで、しかも私はシェイクスピアには疎いし、三世次は形こそリチャード三世かもしれないけど、やはり根本は違うと思うからシェイクスピア作品からの考察はしておりません🙏
※※※※※※※
無知の極みでしたのでちょっとWiki先生等に聞いてみたんです。
まずは大前提として
・天保十二年とは西暦1841年(ちなみに江戸時代から明治に変わったのが1868年)←ここから〰️?😅
・天保の大飢饉は天保四年~十年(三世次とは直接関係はないが、そういう時代だった)
そこで三世次の年齢が気になりますがネット上には出ておらず。戯曲には書いてあるのかなー。私は勝手に二十歳くらい?と思っている。←追記; 戯曲には30前後と書かれているらしい。演者からはそのくらいかなと感じたが、下記の通りの三世次の境遇を知ると15歳プラスに人足寄場4年(大体3年で支援終了するのが目安とあったから)プラスに水替人足1年間かなぁと思ったもので。人足寄場に10年位いたのか?
【最初の三世次の語りから分かること】
・親父は清滝の百姓だったが飢饉と洪水と高い年貢に耐えかねて無宿人となり江戸へ出た(そして三世次が生まれたのだろう。母の事は語らず 追記; 三世次が小さい時に一家で夜逃げしたという可能性もあるのか?)。
・自分も(当然)無宿もんに。
・15の時、無宿人狩りに引っ掛かり石川島(現在の東京都中央区)の人足寄場に入れられ、油絞りをやらされた。
・佐渡島に移されたのが何年前かはっきり覚えていない
・佐渡では水替人足をやらされ、水桶が落ちてこんな足(引きずっている)になってしまった。
・あんまりキツいんで仲間と島抜けしたのが半年前
・イカサマ博打等で日銭を稼いでたどり着いたのが、ここ
↓↓↓無宿人・・・戸籍のないものの意。乞食や失踪人や追放人。
人足寄場・・無宿人を収容し更正させる自立支援施設。実態は強制収容所と変わらない部分もあった。しかし基本的に賃金が発生するので、まじめにやっていれば外にお使いに行ったり自立につながる手仕事が会得できたりしたようだ。
油絞り・・・主に菜種油を取る作業と思われる。人足寄場は罪人ではないので過酷な油絞りをやらせるのは見送られてきたが、徐々に罪人も収容されるようになり、ではやらせようと労働の1つに加わった。(三世次は多分真面目でも品行方正でもなかったからキツい油絞りばかりやらされたと想像する)
水替人足・・坑道を掘る際に多量の水が発生するため湧水を排出する人員。佐渡の水替えは特に過酷な重労働で3年以上は生存できないと言われていた。過酷すぎて逃亡が多く出たが、島抜けは死罪だった。
三世次は生まれた時から無宿人で、人足寄場で油搾りや佐渡金山の水替人足として過酷な労働を何年もやってきたという背景がある。島抜けは死罪と分かっていての逃亡だが、残っても過労で死んでいく現実があったなら一か八かに掛けるのも無理はない。
さて。この最下層の三世次が今後大悪党と成っていく訳だが、三世次が悪いと言い切れるだろうか?
ここまでは三世次の出自とそこから抜け出す所。
以下は清滝に行き着いて言葉使い(話術の意)から人を殺める事に手を染めてしまった後。
【代官殺し前後の三世次の語りから分かること】
清滝の親分=さど家の三世次に収まり、代官を殺害後すぐ後家人株を手配してもらうよう賄賂と共に願い出て、同時に清滝の代官任命も願い出た。→どちらも手に入れた。
↓↓↓後家人株・・・幕府に仕える武士身分を後家人という。生活に困窮した後家人が農民や町民に売り出した家格を後家人株という。形は養子縁組。
代官・・・幕府や藩の領地を管理する役人。民政や徴税、裁判などを担当。武士の中では身分が高い方ではないが権限は大きかった。(今でいう市民税課の課長?もっと上の部長?に裁判官も)
要するに、代官を殺した挙げ句に代官になれる身分を手に入れ自分が代官になり、自分の悪事を隠蔽した(なにしろ裁判も代官の仕事だから)。これらをほぼ同時にやったのだから、前々からそういう道があると考えてはいたのだろうが、実行力半端ない。
三世次の成り上がりについては、河岸安の兄ぃは可哀想だったが親分達への無実の説明がちゃんとできなかった兄ぃも悪いっちゃ悪い。で、代官の茂平太は金貨に目がくらんだ本人の脇の甘さがあったっちゃあった。後家人株を手配した役人も賄賂に目がくらんだ訳だし、代官に任命した殿様?も賄賂に目がくらんでいる。どいつもこいつも阿呆ということだ。
全面的に可哀想なのはお光とお幸。
阿呆の巣窟である役人(政治家)とそれらの間で働く実行犯・利用する実行犯、被害に合う女達。令和そのものではないか。
【三世次の殺人に焦点を当ててみる】
最初の殺人は姐さんであるお里の言いつけで好きだったお光を殺害しようとして間違ってお文を刺す。遺体を運ぶ時三世次は呻く。
私は、健治三世次は清滝に流れ着くまでに何人か殺してそうという感想を以前述べた。三世次は佐渡から島抜けして見つかれば死罪という境遇。金もせしめないと生きていけない。Googleマップによると佐渡金山から清滝まで最短約450km。山越えをして関東に辿り着くのも命懸けだ。小競り合いの結果誰かを蹴落としたり結果打ち所悪くて死んだとか、あっても全然不思議ではないと思うし、そんな奴に同情などしないと思うな三世次は。
が、自分の命を守るためではなく、刀で殺害した(しかも女を)ことでひどく動揺したのか、呻きながら遺体を運ぶ。これの意味は...。
第二の殺人は言葉使いの威力を発揮して一気に幕兵衛とお里を無理心中に追いやる。次いで時期親分となる兄ぃをこれも言葉使いで大親分達に切られるよう仕向ける。三人死んでるがこれを第二の殺人としよう。
第三は。うまく清滝の親分に収まり老婆の言葉で一か八かお光に手を出そうとして拒絶され殺害、加えて死姦という最悪の悪行を。
続いて第四は前述の代官殺し。代官に収まった後、談判に来た百姓を切るのが第五。ここまで来ると蚊を叩くくらいにしか思ってない。
書いてみると分かってくるが、お文を刺した時はまだまともだったか。自分を脅かす存在ではない女を刺し殺してしまったという事実に苦しんだのか...。ではなぜその後、たたみかけるように言葉でそして自分の手で人を殺めていったのか。お光へ手を出した時点でもう狂気に落ちているよね。シェイクスピアでいうと魔女の予言のせいなのかもしれないけど。
私は心理学を1ミリも勉強したことがないのでそこは本当に残念。とても興味があるし、あらゆる場で役に立ちそうだし。...なのであまりにも不勉強な脳であれこれ想像して語るのもどうかと思うのでこれは一旦置いておく。
あ!ひとつわからない点があった!(いや何もわかってないんだけど)
河岸安の兄ぃが親分達に切られた後、一生三世次は「兄ぃ~」と悲しむ振りをして笑っているんですけど、健治三世次は真顔で死体に唾を吐いて去っていきます。え、そんなに嫌いだったの?と違和感を覚えるくらい。健治三世次のその時の心理も知りたいな。
【三世次にとってのお幸】
もうひとつ興味深い点があって。お幸が結局三世次を刺さなかったことで、代官の妻として同居する場面が出てきます、もうすぐ終わるなーの所です。居間のような部屋で2人一緒にいて、お幸が三世次にお茶を淹れます。初めてのことでびっくりして、そうかとうとうひとつ布団で寝る気になってくれたかと。
そう、お幸を妻にしたが実態は夫婦ではなく、三世次は寝てくれないどころかお茶さえ淹れてくれないお幸を、手を出さずにそばに置いていたということだ。
これを心理学知らない頭で考えてみるとですね。代官所で美しい妻と一緒に住むという夢のような出来事に戸惑っている。なぜお幸はここにいてくれるのだ?と(三世次に自死させるためだよ、三世次...)。で、お光にしたように無理やり手込めにすることも出来る訳ですが、お幸があまりに凛としているので手が出せない。拒否されて自害されるのがわかっていたでしょうし。急がなくてはいけない理由もないし、いつか心変わりしてくれるかもな?とでも思ってたのでしょうか。で、お茶を初めて淹れてくれたのがその時だと。
三世次の出自を考えると、親分になったり代官になったりしたけど、そんなに幸せな気持ちにはならなかったんじゃないかなー。だって誰にも好かれてないから。おそるおそるお幸と暮らして、好いてくれるかもと待ってたのかなぁ。代官を殺してお幸に罵られた時に「俺を殺せ!」と迫った三世次。あれは本音でもあったのだろうと思う。あそこでお幸に殺されるのは本望だと。(どっこいお幸は冗談じゃないよね。殺人者になるなんて。)
※※※※※※
健治三世次。怒りが強く可愛気がほとんどない(一生三世次はちょこまか小賢しい分、わりと良く笑っていたから可愛気があった。キショカワチイ😽)。なのにすごく惹かれるのはなぜ?
まずは本当に色気があるのだ。さど家の親分として出てきた健ちゃんに初めて色気を感じてオロオロしている私😵💫 もう本当にハッとした! い、色男が出てきたぁああーって!
それと、くどくど説明してきた通り、三世次は救いようのない境遇で育ってきたから、全面的に嫌いになれない自分もいる。混沌とした時代、今よりも簡単に切ったとか死んだとかが起こっていた世界。三世次はああでしか生きられなかったなぁと。
そして代官の扮装で最期、百姓に囲まれて殺陣をするのが本当にカッコ良かった。ココバナのメールにどなたかが書いてらっしゃった通り、最期のシーンは歌舞伎役者のように華やかに散っていった三世次。いや最期の最後はドスン!という音でカッコいいも何もないんですけどね...。蛇足感想ですがこの何とも後味の悪い音の後に、カッコいい演奏が始まるんですよ‼️ ここがね!このお芝居の凄い所で、みんなお化けになってオープニングと同じ曲を皆で歌うんですよー!出てきた三世次はもう三世次じゃないんですっ!
極めつけに全員客席降りてくれるというっ! これで観客はウキウキのノリノリでお家に帰れるという訳!
※※※※※
私たちはこういう『趣向』から学ぶんですよ。
誰か、天保の💿️政治家に送っといて‼️...あー面白かった!で終わりそうだけどもね...。
#天保十二年のシェイクスピア #佐渡の三世次 #浦井健治





